「……」 何だろう。 この、胸にぽっかり穴が空いたような感覚は。 心のどこかで、ヤツの存在が無いことを“物足りない”と感じているのだろうか──? アイツ…志季がいないだけで、こんなに静かで。 こんなにのびのびできて。 なのに─… 私、今“寂しい”って思ってる。 あんなヤツ、好きじゃないのに。 好きになるわけないのに。 言い聞かせれば言い聞かせるほど、苦しくなる。 まるで、私の中にもう一人人の私が存在しているような… とにかく変な感覚なんだ。