ポタッ─── なに、水滴? 「──どうだ冷たいだろう。客に恥をかかせた罰だ」 龍が空のグラスを手に、ゆらゆら不気味な顔で笑っている。 この……豚野郎。 マジで容赦しねぇ…… 「…このやろー」 そう言って拳を振り上げた瞬間だった。 「…もう、その辺にしとけ」 ……へ? 気づけば、振り上げた右腕は志季によって押さえられていて。 一瞬、何が起こったか分からなかった。