き、奇遇ですな…。 私ときたら、もはや苦笑い。 龍も私の存在に気づいたらしく、小さな目をいっぱいに見開いて絶句状態。 「…あの…、龍くん、だよね?」 おそるおそる、声をかけてみる。 わざわざ確認なんてしなくても、何度も家ですれ違ってるし、見間違うはずは無いんだけど。 …だけど。 「さぁ、人違いです」 ……は? 瞬間、私の中で何かがはち切れたような気がした。