「とりあえずこれ、注いでみ」 そう言って手渡されたのは、お冷ポットとコップ。 なんだ、注ぐぐらいなら私にだって──…… ……ビシャッ。 「…っ、」 思わず、唾を飲む。 勢いよく飛び出した水は、制御も虚しく志季のサロンへとかかってしまった。 「………テメー」 「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!」 殺されるっ…! 「……ほら。教えてやるから」 ─────へ?