─…それからのことは、よく覚えていない。
確かみんなで、バカみたいに泣いて。
バカみたいに笑い合って。
そうだ。
望さんの笑った顔が、お母さんそっくりだったのを覚えてる。
あれから泣き疲れたのか、次に目を覚ましたときには、私は愛梨の部屋に居た。
「…やば。いつの間にか寝ちゃった……」
むっくり起き上がると。
ブブブブブ─…
スカートのポケットで携帯が震動している。
もしかしたら…!
期待で胸が弾む。
実は、家に帰って直後、私は志季に初めてのメールを送ったんだ。
『今日はありがとうございました!今からお父さんに話してきますヘ(ё)ヘ』
文字だけだと照れ臭いから、顔文字でめいっぱいごまかしたけど。