まぁ、志季の自己中は今に始まったことじゃないけど。
もう慣れてるけど。
「お前もいつもああなら少しは可愛げがあんのに…」
ポソッと志季が呟いた言葉を、私は聞き逃さなかった。
「ちょ!どうゆう意味ですか!」
ムキになって突っかかる。
「ほら、その態度。お前差が激しすぎんだよ」
「はい!?」
「どうやらさっきまでの相澤は俺の幻だったらしい」
さっきまでの、私?
…………ゲ。
改めて思い出して、思わず背中が寒気が走る。
そうだった。
私、志季に抱きついちゃったんだ……。
カカカッと再び体温が上昇し始める。
私、多分どうかしてた。
きっとそうに違いない。
正気ならしないもん、あんな事。
「あ、あれは…その、」
「あれ?」
言いかけた私の言葉を、志季が遮る。
もう、何なの!?
「あれ、もしかしてお前の妹じゃね?」
「へ!?」
志季の指さす方に視線を向ける。
「愛梨!?」


