「相澤?」
「!?うわっ!」
急に志季が振り向くから、思わず荷台から転びそうになる私。
なんて間抜けなんだ…。
「ほら、着いたぞ」
「え?もう?」
ボーッとしてて気づかなかった。
少しもったいないことしたなぁ。
「はい、鞄」
「ありがとうございます。じゃあまた…」
「あ!ちょー待てや」
踵を返そうとした私を、志季が呼び止める。
何ですか?
と再び近づくと。
「携帯」
そう言って志季が右手を差し出してみせた。
携帯?
貸せってことかな?
疑問に思いつつも、ポケットから携帯を取り出して志季の手に乗せる。
すると志季は、慣れた手つきでボタンを操作し始めた。
「え、何やってるんですか?」
「…はい、完了っと。じゃあな」
え?
え?
えぇぇー!?
私の手の平に携帯だけを残し、平然と走り去る志季。
その背中を見送ってから、再び手の中の携帯に視線を落とす。
おそるおそる画面を開けば、そこには見慣れた名前と見知らぬ番号とアドレスが表示されていた。
…これって。
志季のケー番!?


