抱きしめた腕の中で蜜葉は首を振った。



「たかにぃは何も悪くないよ……。だから謝んないで……謝んないでよ……」



蜜葉はまた泣きそうになってた。


その顔ダメだって……。


キス、したくなる。


俺を見つめる蜜葉の瞳から逃れることが出来ない。


今まで我慢してた感情も、理性も、何もかもが抑えられなくなる。


蜜葉の唇を親指でなぞり、そっと唇を重ねた。


蜜葉はなんの抵抗もなくそれを受け入れた。



「しょっぱい……」



そう言って笑う蜜葉の唇を、俺は再び自分の唇で塞ぐ。


もうどうなってもいい。


そう思っているのに、キスより先に進めない。


怖い。


無理矢理になんてしなくない。


俺の頭も心もいっぱいいっぱいで、気が付けば蜜葉の肩を押し退けていた。



「たかにぃ……?」



「わかってんの……?この先どんなことすんのか。お前にとって俺は単なる幼なじみだろ?少しは拒めよ!」