今、蜜葉が泣いているのは全部俺のせいだ。


俺がはっきりしないから。


だったら俺の気持ちを伝えてしまおう。


蜜葉が泣かなくていいように。



「蜜葉、家においで」



俺は荷物を拾って、蜜葉の手を取った。


玄関から母さんに何も言わずに自分の部屋へと向かう。


部屋に入り、ドアを閉めてすぐに鍵を掛けた。


誰にも邪魔はさせない。


蜜葉をドアにおっかからせて唇を重ねた。



「たかにぃ……」



蜜葉は顔を赤くしながら、吐息を漏らすと共に俺の名前を呼ぶ。


キスなんかじゃなくて、蜜葉はきっと言葉が欲しいと思う。


離れていかないよって。


嫌いになんかならないよって。


大好きだよって。


だからちゃんと言わなきゃダメなんだ。


俺は唇を離して蜜葉の肩を掴むと、蜜葉の目を真っ直ぐに見た。



「約束する。俺は蜜葉から離れない。蜜葉を嫌いにならない。だって、蜜葉が大好きだから」