目覚めると外から近所の子供たちのはしゃぎ声が聞こえた。
「朝から元気だなぁ…」
日曜の朝は10時を過ぎないと起きない俺が、珍しく早くに目が覚めた。
「さみぃ…」
パジャマのまま部屋を出て、階段を下りながら欠伸をすると、息は白かった。
キッチンのドアを開けた瞬間、暖かい空気が流れ出てくる。
「稜人(たかと)?!どうしたのあんた!今日は早いじゃない!!」
母さんの表情も声も驚いていた。
「目が覚めたんだよ。外うるさいし」
「何言ってんのよ。いつもは工事してようが事故が起きようが、騒がしくても起きないくせに!あんたが早起きだから雪が降ったのね?!」
「なんだよそれ。だいたいなんで俺のせいで雪が……雪?!」
リビングに行ってカーテンを開けると確かに雪が降ってる。
どおりで寒いわけだ。
「起きたついでにご飯食べちゃいなさい」
そう言って母さんは朝食をテーブルに運ぶ。
今日のメインは焼き鮭。