それは、輝く星空のように

「この手紙は、少しおかしい」


「おかしいって、どのへんが?」


「筆跡も定規か何かを当てたような感じだし、住所も書いてない」


「はあ、それはそうですねー」


よく、刑事もののドラマなんかで使われる手口だ。


それで、差出人がつかみづらくなる。


「しかも、内容だっておかしい。お前やお前の母親を心配するようなことばかりで、肝心の本人のことには触れられてない」


そこまで言われて、せんぱいが言いたいことが予想できた。


「何かが読み取れると思わないか?」


「・・・兄が探すなと言っているってことですね?」


「・・・そうだ」


ため息混じりに頷く。


「理由はわからない。だが、お前の兄は、お前たちに会うことを望んでいないように思う」


それは、おにいちゃんを探すと決めたときからずっと懸念していたことだ。


おにいちゃんの迷惑になるかもしれないと。


「・・・それでも、兄に会いたいか?」


試すような視線。


今までで一番鋭い目つきだと思った。


「・・・・・・」


それでも、答えは決まっていた。


「もちろんです」


「・・・そうか」


何かを納得したように息を吐く。


「なら、俺には何も言う権利はない。契約中は好きなだけ俺を使ってくれ。お客さん」


「はいっ、そうさせてもらいますっ」


その後は、他愛もない雑談を交わした後、バイトへと向かった。