それは、輝く星空のように

「・・・恩人がいるんだ」


彼は静かに語り出した。


「俺がガキのときに、行き場のなかった俺を拾ってくれた人なんだ」


「その人のために、お金を集めているんですか?」


「そんなにいいもんじゃないさ」


自嘲気味に笑う。


「ただ、俺はその人に返しきれないほどの恩を受けた」


だから、と続けて。


「せめて、返せるかはわからないが、少しは恩を返したい」


「犯罪に手を貸すようなことで、ですか?」


「・・・そうだ」


少し間を置いて言葉が返ってくる。


「・・・・・・」


「・・・納得いかなそうだな」


「正直に言えば」


なんか、そういうのは違う気がする。


恩返し、と言うには彼のやり方は醜いと思う。


「・・・金を軽蔑する奴は多い。けど、金の使い方を知っている奴はほとんどいない」


嫌な言い方だが、事実だ。


金が全てじゃない、と言う人間に限って、ケチだったりする。


「金がなきゃ、守れないものがある」


そう言う彼に、反論する気は起きなかった。