それは、輝く星空のように

「じゃ、ここで失礼しますっ」


「ああ」


家の前で立ち止まる。


見ると、彼の片方の肩が濡れていた。


だが、あえて触れずにおいた。


彼は、優しいところを人に見せるのを嫌うから。


クールで素っ気ないけど、どこか優しい。


不思議な魅力を持っているひとだと思う。


「今日はありがとうごさいましたっ」


スマイルでお礼を言う。


「礼なら、恭介に言え」


彼の口から意外な人物の名が出てきた。


「どうしてです?」


「あいつが言ってきたんだ。菜月ちゃんが傘持ってないみたいだから、傘に入れてやれって」


「じゃあ、待っててくれたんですか」


「俺はそこまでお人好しじゃない。
 お前に会ったのは偶然だ」


「さいですか」


何に対してかはわからないが、落胆してしまう。


しかし、恭介さんも何を考えているのかさっぱりわからん。


たぶん、誰にもわからないだろう。