それは、輝く星空のように

通りすがりの羽田智徳だった。


傘を差しながら、不思議そうにわたしを見ている。


「雨中のランニングです。根性が鍛えられますよ」


「・・・傘がないのか?」


わたしの様子を見て、そう判断したらしい。


「文句ありますか」


「いや・・・面白いヤツだな、お前」


何が楽しいのかよくわからないが、笑顔を浮かべる。


「入れよ。結構でかいから、小娘一人くらいは入れる」


「・・・・・・」


何のつもりだろうか。


嫌いなはずのわたしに傘を貸して、何かいいことでもあるのか。


わからない。


彼が何を考えているのか、まったくわからない。


ただひとつ言えることは、このままだと体はどんどん濡れていくことだけだ。


「・・・入らないのなら、置いてくぞ」


彼が立ち去ろうとする。


「ちょ、まだ何も言ってませんよっ」


ぴょん、とせんぱいの傘の下に潜り込む。


とりあえず、傘ゲット。


その他諸々のことは、後で考えよう。


適当に生きるな。