毎朝みんなに挨拶をして回っているのだが、この少年の顔には見覚えがなかった。 「君、どうしたんだい? お母さんとはぐれたのかい?」 僕は少年と目線を合わせるためしゃがみこんだ。 「…ぼく‥」 少年はようやく口を開いた。 「うん?」 「… ‥家出した。」 …え? 「ー家出!?」 僕と少年以外は誰もいない田んぼ道で、僕の叫び声が空に向かって響くことになった −−−−−−− −−−