泡姫物語

月曜日。
藤田さんと修は仕事があるから夕方から合流することになっていた。

私と愛子は朝から一緒にあの神社にいた。
ある決心を胸にして。

ふたりでお賽銭を投げてお参りする。

――神様、私は神様なんて信じていなかったけど、めでたく私も愛子も結ばれることとなりました。きっと、ここで祈願したことがこの成功に少しでも繋がっていたんだと思います。ありがとうございました。

これからも、見守っていてくださいね。

「じゃあ、行こうか」

私たちは今日で店を辞める。

目標金額には到達していないけど、それより大切な人が出来たから。

これからは普通の仕事をして、それぞれの幸せに向かって歩いていこう。

昨日愛子が家に来て、一晩話し合った結果だった。

「さっ、店長泣かせに行こう」

「そうだね、ふたりが帰って来るまでに戻ってこなきゃだもんね」

私と愛子は手をつないで新しい生活のスタートに向けて、勢いよく走り出した。