カタン


と、扉が開いた
そこに立つ人影にトーワが声をかける



「お前はいつも突然現れるな……」


キャリベルはクスリと笑う


「貴方の騎士ですもの」


長椅子にもたれたままトーワは月を見上げて、独り言の様に呟いた


「俺はバカだ………」


キャリベルはただ黙って耳を傾けた


「近づかないと自分で決めといて………そいつに救われてる………」



トーワは自嘲するように笑った



「許されて………いいんだろうか?」



今までの罪を忘れはしないけれど…………顔を手のひらで覆った
きっと、血濡れた手のひら



「俺は戦うよ………あいつと」


……アルメリアと



「それは!」

「わかってる………だがこれ以上あいつを放置しておけない!」


キャリベルはぐっと手のひらを握る


「しかし……」

「……別に殺そうとしてる訳じゃない…………止めるんだ」

「……………」


この世界は王族なくしては成り立たない
その能力で世界の均衡が保たれている
王族だからと言って寿命が短いわけではない



「50年前からだ……水属性の王族はなにかしら早く死んでいる………」


それは事故であったり、今回の様な暴動に巻き込まれるなどと、不自然なほどに