「……………!!」



悲鳴も上げれないほど喉が引きつっていた
雪に覆われた美しい風景の故郷
だが、それも今では見る影もない
白い白い地面は、冬だというのに花が咲いた様に紅く染まっていた


少女は力尽きたように雪の上に倒れ込む



少女の周りは凄惨な風景が広がっている
倒れた人々、紅く咲く雪野原
凍るような涙の筋が幾つも少女の瞳から溢れでる
見開かれた瞳は空虚な闇に染められていた
倒れ込んだまま仰向けになり、灰色の空を仰ぐ
荒い息が引きつった喉を焼く感覚がする
そしてそのまま時が流れた
いや、ほんの数刻だったのかもしれないが、少女にとっては永遠に感じる時が過ぎた


その時、少女の空虚な視界に紅の色が入ってきた
ビクリと体を強張らせてその紅を眼で追った
その紅は波打つ真紅の髪だと気付いて、少女は詰まった息を吐く


少し上向くと、そこには女神の様に美しい女性が微笑みながら少女を見ていた
そして、女神は透き通る声で少女に残酷な事実を告げた