『ケイゴってなんだんかんだ言って優しいんだね』

ミズキは僕にニコッと笑いかけた。

『そ、そうかな!?』

僕は首を傾げた。

『えいっ!!』

ミズキは突然僕に水をかけてきた。

『うわっ!!…な、何するんですか?』

『えいっ、えいっ!!』

ミズキは笑顔でまた僕に水をかけてきた。

『あのスーツが濡れるんですけど…』

『そんなの気にしない×②』

ミズキは楽しそうに笑っていた。

僕は少し頭に来て、やり返そうとミズキに水をかけた。

『きゃあ!!ひっどーい、よくもやったな』

ミズキは笑顔で言いながら、また僕に水をかけた。

僕たちはいつの間に水のかけあいをしながら、知らず知らずのうちに心からこの時間を楽しんでいた。

『あ〜あ、びしょびしょ。ケイゴのせいだよ』

ミズキは笑いながら水から出て、僕の方を見た。

『そっちが最初に水かけてきた癖に…』

僕は帰ろうと水から出て、道路の方へ歩き出した。