『ケイゴ…ありがとう。その言葉…凄く嬉しいよ…ありがとう』

そう言ってミズキは、ニコッと笑い眠りに落ちた。

僕はしばらくそのミズキの寝顔をじっと見ていたが、握りしめているミズキの手が冷たくなってゆく異変にふと気付いた。

『ミ、ミズキさん?ミズキさん!!』

僕は手を離し、椅子から立ち上がりミズキの身体を揺すった。

だけどミズキは眠ったまま目を開けなかった。

『ミズキさん!!ミズキさん!!』

僕は何度もミズキの名前を大声で呼び、何度も眠るミズキの身体を揺すった。

だけどやっぱりミズキは反応がなかった。

『嘘だろ…目を開けてよ…。お願いだから…目を開けてよ…』

僕の目から、大粒の涙がドバァーっと一気に溢れ落ちた。

『ミズキさぁーーーーーん!!』






どんなに名前をを呼んでも…ミズキは二度と目を開けなかった。


結局、最期まで笑顔で…。


僕はまだ…“サヨナラ”さえも言っていないのに…。