夢からなるキミへ

『昨日ぶりです…』

僕は軽く彼女に会釈をした。

彼女は笑って会釈を返した。

『ケイゴ、お前彼女と知り合い?』

隣に座るヒロが僕に話し掛けてきた。

『うん、ちょっとね』

『へぇー、ケイゴって言うんだ…良い名前だね。あたしはミズキ、よろしくね』

突然花屋の彼女が僕とヒロの会話に割り込んできた。

『ミズキさんですか…よろしくお願いします』

『ねぇ、ケイゴ。あなた歳はいくつなの?』

『えっ!?…20歳です』

『ふ〜ん、20歳か〜…あたしは22歳なんだ。良いね、若くって』

『えっ!?22歳でも十分若いですよ』

僕がそういうとミズキは突然席を立ち上がり、僕の腕を引っ張った。

『ねぇ、ケイゴ。二人で今からどっか行きましょう』

ミズキは僕の腕を引っ張り、僕の返答も聞かずさっさと店を出た。

『ねぇ、ケイゴ。今から海に行かない?』

『えっ!?今からって、もう21時ですよ』

『良いから良いから、行きましょ』

ミズキはタクシーを止め、タクシーに乗り込んだ。