『うん。大切にするよ』

僕はミズキに約束した。

『さてと、そろそろ店閉めないと…』

ミズキはそう言って、店外の花たちを店内へと運び込んでいた。

『ミ、ミズキさん!!』

『えっ!?何?』

ミズキは植木鉢を持ちながら僕の方を見た。

『もし良かったら、この前の風邪の時のお礼をしたいんで、明日夕食でも食べに行きませんか?ご馳走します』

僕は少し照れながらミズキの目を見て言った。

ミズキは一瞬考えていた様子だったが、すぐさま返事をくれた。

『良いよ、楽しみにしてるね。じゃあ…明日の20時に駅前で待ってるね』

『ハイ。じゃあ僕はこれで。春蘭大切にしますね』

僕はそう言って自宅へと戻った。

僕は部屋に入るなり、花瓶に水を入れ春蘭を窓際の棚の上に飾った。

『素直な心か…ありがとうミズキさん』

僕は花をしばらく見つめてから、お風呂に入りお弁当を食べ就寝した。