ベッドの下に散らばった下着と服を
そっとかき集め

隣で寝ている彼を起こさないように
必死で頭を整理しながら衣服を身につける




一体全体どういう経緯で
私は彼とこんなことになったのだろうか?

このまま帰っちゃったら
全部無かったことになるかな?なんて都合のいい考えが浮かんだ瞬間

後ろから突然
ゴツゴツとした腕に抱き締められた


「うわっっ」


あまりの驚きに声にならない声が発せられる


「んん…
おはよ。夕陽(ゆうひ)」


「……有岡さん
おはようございます」


今までずっと考えていたいいわけも、誤魔化しも全て諦めた私は
観念して彼の方へと振りかえる


「昨日はよく眠れた?」


「…あぁ、はい」


「そっか。
昨日お互い中々眠れなかったもんねえ…」




そう言って笑う彼に
完全に動揺を隠せない私



「あの…
有岡さん…あたし…」


「ん?」




「実は昨日のこと…

何も覚えてなくて…」