「婿養子。そしていずれは坂城グループ社長…葵衣ちゃんを取り込めたら、そうなるんでしょ?」 考える前に手が勝手に出ていた。 平手打ちの「パンッ」という音が辺りに響いた。 人を殴ったのは初めてで、自分の手も痛いけど 心もめちゃくちゃ痛かった。 けれど殴ったって、気持ちが晴れるわけはなくて… 「満足した?じゃ、オレ行くから」 春日部さんはそのままあたしの横をスッと通って、行ってしまった。