「……ハァ…ハァ」 息を切らしながら、はなれの神影の家の前に着いたあたしは、すぐにドアホンを押した。 しばらくしてガチャっと扉が開いて出てきたのは、神影だった。 「葵衣様?!どうされたんですか?」 あたしが突然訪ねてきたことに、神影は目を見開き驚いている。 「絢斗は?いる?」 「絢斗…ですか?」 困惑した表情を見せた神影は、とても言いづらそうに口を開いた。 「…今日、出ていきました」 えっ?! 出ていった……?