無機質で無駄に広い空間 つかつかと早足で、いつもの席につく。 「葵衣様、おはようございます」 低音の声が部屋に響き渡る。 「おはよ」 その態度に、いちいちイラつく。 胸元に置かれた手の位置 お辞儀の角度に いつものセリフ。 口角だけ少し上がり笑みを浮かべる。 長めの前髪から見える目元は、微塵も動かさずに… コンピューターでプログラム制御されてんじゃないの? そんな言葉を浴びせたくなる。