Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

握っているあっちゃんの手が震えていた。

「あこ…もう…ック…もう、会えねぇのかと思った。

俺…もう駄目かと思った…」

『やだよっ!
そんなこと言わないでよっ!!

あこの事、お嫁さんにしてくれるんでしょ?』

「プッ(笑)」
あっちゃんの八重歯がチラッと顔を出した。

つられて、あこもニヤけてしまった。
…こんな状況なのに。

あっちゃんの笑顔はいつもあこを元気にさせてくれる。

ほらね!
心があったかいよ?

「あこのばぁかっ(笑)
泣き虫!わがままっ!甘ったれ!

あ…あこ、髪にゴミ付いてんぞ?

ちょっと、こっち来て?」

『えっ!どこ?どこ?』

あっちゃんに言われた様にあっちゃんに頭を近付けた。

チュッ…
「…ヘンッ(笑)
ばぁぁーか!(笑)嘘だっつぅの!!」

あっちゃんはあこの頭の後ろに手をまわして、あこの顔を引き寄せて、軽くキスをした。

『えっ(笑)やだぁ!!
嘘つきっ!(笑)』

二人でクスクスと小さく笑い合った。

「おっ?ラブラブだねぇ!?(笑)」

振り返ると、白衣を着た優しい笑顔のあっちゃんの主治医が立っていた。

その横には、泣き笑いをしているおばちゃんも立っていた。