Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

「卓…ごめんな?

アツシに言われたんだ…
卓には絶対言うなって……卓は、俺と違って素直だから、すぐあこに言ってしまうだろうからって…」


「俺、情けねぇよ…家族なのによっ!!」

卓ちゃんは両手で額を抑えてついに泣き出してしまった。

卓ちゃんの涙を見て、感情が込みあげてしまう。

『あこも聞いてないっ!!』

どうして教えてくれなかったのっ!?

大事な…
大事な事なのに……

ショックなのか何なのか分からない。

でも、涙腺が壊れてしまった。

…ねぇ?
あっちゃん!!

あこはそんなに頼りないですか?

「…アツシは、本当は退院なんて出来る体じゃないんだ!

でも!…あこちゃんと一緒に居る時間がどうしても欲しかったんだよ!

だからっ…反対する先生に頭下げて、頼み込んで、無理矢理…退院させてもらったんだ。

そんくらい、“時間”が大切なんだよ!
…隠してたのは悪いけど、分かってやってくんねぇかな…?」

頬を伝う大量の涙を拭った右手はプルプルと震える。

『あこと一緒にいたいと思ってくれるならっ……治療が優先じゃないのっ!?

それからでも時間はいっぱいあるじゃんッッ!!』