Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

「あこ…ここに来い。」

あっちゃんは砂場に座ったまま、足を広げてあこがぴったり納まるくらいのスペースを作ってくれた。

『うん!!』

そっとあっちゃんの小さくなった背中から離れて、あっちゃんの前に納まる様にちょこんと座った。

ギュッ。

「プーッ(笑)
ギャハハハ!!」

あっちゃんはあこを後ろから強く抱き締めながら笑った。

あったかい。

『…?なぁにっ!?』

「あこ!お前人の事言ってらんねぇな!(笑)」

コツ…
あっちゃんがあこの頭にそっと顎を乗せた。

『何がぁ?』

「ちっちゃいし、俺より細せぇ!!(笑)

チビチビチビ!チービ!(笑)」

耳にあっちゃんの息がかかる。

ドキ…

『ひっ…どーいっ!(笑)』

照れ隠しで右手を振り上げてあっちゃんの方を振り返った。

……トクン。
『…えっ…』

あっちゃんの顔を見て体がざわざわと音を立てた。

『あっちゃん?』

あっちゃんの目から落ちる一粒の綺麗な雫を見た。

でもすぐに目の前に広がる海に視線をそらした。

キラキラ…

もう夕方だ。
太陽が黄色から朱色に変色していて、水面がオレンジ色に輝いていた。

気のせいだよね?

神様。
今見た雫は、あっちゃんの涙じゃない事を願います。

「あこ…」

ビクンッ……!!