Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

あまりにもエリが慌てているから、何かと思って、あこも辺りを見渡した。

別に変わった様子もない…

穏やかな波が

寄せては返って…
寄せては返って…

キラキラ…
ユラユラ…

太陽の光が水面に反射して細かく輝いている。

「おわ―――!!
見んな!見んな!

アホヒロト!あっち見ろよ!!死ね!」

キラキラ輝く海の中からあっちゃんがずぶ濡れで、あこに正面から抱きついた。

ぎゅ―――!

海水は冷たいけど、あっちゃんの体があったかくて、不思議な感じ。

あっちゃんの肌とあこの肌が密着している。

…ふにゃ。

何だろ?

胸にやけに生々しい感触がした。

あっちゃんに抱き締められながらも、その生々しい感触のある胸元を見る。

………!?

『ギャッ!』

もうあっちゃんの胸に小さく埋まるしかなかった。

どうりで、生々しいはずだよ!

エリが慌てるはずだよ!

ヒロトが固まるはずだよ!

あっちゃんが慌ててあこを抱き締めるはずだもん!!

「え…エリちゃん!
あこの水着取って!!」

…そう。
さっきの海に飛込んだ勢いで、水着の上のひもがほどけて流されてしまった。