Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

『あっちゃん!これっ!』

あこが左手を差し出して、あっちゃんの顔の前で指を広げた。

あっちゃんの目が大きく見開いた。

「あこ…お前これ…まだ持ってたのか?」

そうだよ。
当たり前だよ。
だってさ…あっちゃんが約束してくれて、あこにはめてくれたんだよ?

捨てれるわけないじゃん!

『うんっ!あっちゃん…もう一回あこの左手にはめてよ!』

「おぅ…」

あっちゃんがあこのてのひらからそっと指輪を手にとって、そっと左薬指にはめてくれた。

またこのリングをつける事ができるなんて…

あこの目に光るモノを見つけたあっちゃんが言った。

「すぐ泣くっ!!ばぁぁか(笑)」

あこを笑ったあっちゃんの顔はあこよりも嬉しそうだった。

リングを嬉しそうにじっと見つめるあこにあっちゃんが言った。

「あこ!よく聞け!

大ニュースだっ!!」

あっちゃんの目がキラキラしていて、眩しい。

あこの笑顔に輝きが増した。

あっちゃんの退院が決まった。
明日、あっちゃんはこの病院を退院する事になった。

「嬉しいか?チビ!(笑)

これからは、前みたいに会えるんだぞ!」

『うれしぃぃーッッ!!』
思わずあっちゃんの胸におもいっきり飛込んでしまった。

「甘ったれ!(笑)」

あっちゃんがあこの頭を優しく何度も何度も撫でてくれた。

窓からさしこむ西日が暖かかった。

『でも…どうして明日なの?

先生は、一週間後あたりとか言ってたよねぇ?いいの…?大丈夫なの…?』