やっぱりエリは、あこの大親友だ。

あこと全く同じ驚き方をした。

ケンの右肩には背伸びをして、つかみかかっているあこ。

目がキラキラ。

ケンの左肩には覆い被さるように、つかみかかっているエリ。

目がギラギラ。


ケンは横目であことエリをチラッっと見た後、あこ達を振り払い、小走りで公園入り口の自転車へ駆け出した。


「うるっせぇー!!
詳しい事はさきに聞けばいーだろー!!

じゃあなぁー!バカアホコンビー!(笑)」


ガシャン!!ガタッ……シャ――――。


ケンは、自転車に飛び乗ると恥ずかしそうに真っ赤な顔で叫び、左手を大きく振って公園から遠ざかった。


嬉しいな!!
凄く嬉しい!!
ケンとさきが付き合ってるって聞いたら、心が凄くポカポカ温かくなったよ。


さきは、あことは違って、人の気持ちを最優先出来る様な、優しい女の子。

ふわふわ柔らかい雰囲気で、お姫様みたいな、おっとりとした可愛い女の子。


きっと、ケンは幸せになれるね!
うん!!さきと一緒なら、絶対に絶対、幸せになれるよ!


あっちゃん…
あなたがこの世を去ってから、みんなが幸せを掴みかけている気がします。


これは…あこの勝手な思い込みかもしれない。

だけど…
あっちゃんは、みんなに幸せだけを残して、辛い事は全部天国へ一緒に持って行ってくれたのかもしれないなぁ…なんてね!


あっちゃん、あこは、今、みんなに支えられて、強く生きています。