Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

走って来た若いお母さんがあこ達に深く頭を下げている。

お母さんが男の子を押さえ付けると、男の子は必死にお母さんの両手を振り払い、白いブランコの方へ走って行ってしまった。


「離せよー!!お母さんのばぁかっ!!」


「あっ!こら、ゆーくんっ!
お姉さん達に謝りなさいっ!!

…ハァッ、本当にごめんなさい…」

若いお母さんは本当に申し訳なさそうに、あこ達に何度も頭を下げている。


「いえっ、マジで大丈夫っすよ!!(笑)

元気なお子さんっすね!」

ケンはニコニコと微笑みながら、ブランコの近くにいる男の子を見つめていた。


「えぇ、困ってしまって…(笑)」

若いお母さんは額に手を当てて、少し恥ずかしそうにはにかんだ。

男の子を見た瞬間から、あこには少し気になる事があった。

ちょっと聞きづらいけど……


『あの…もしかして、お子さんは、病気ですか…?』

「あこ?何…」


あこの意外な発言にエリとケンは目を丸くして立ち尽くしている。

「えっ?……あの…」

若いお母さんも驚いた様な顔であこの顔をじっと見つめた。


だって…
あの小さな頭に巻かれたバンダナ…

それに、細めの体に、ちょっとむくんだ目元。


『あっ、ごめんなさい!!あのっ…バンダナが…』


しまった!
やっぱり言わない方が良かったのかな!

やっぱり失礼だよね!

あこはなんとなく気まずい雰囲気に耐えきれなくなり、目線を植え付けたばかりのキキョウに送った。

サワサワ…サワサワ…