月日は流れ、3月になった。

もうすぐ4月。


まだ道路の隅に雪が残っているものの、春が訪れる。


あっちゃん?
今日は、あっちゃんへプレゼントを届けに公園に来たよ!!

喜んでくれるかな?


お日様が光を注いでくれている公園には、小さな子供達が数人。

ブランコの取り合いをしていた。

子供達の元気な声混じっている苛立った感じの声の犯人は、エリ。

「もォーっ!!
あこのヘタクソッッ!

ちゃんと、こうやって植えてよっ!!

あぁぁーっ!アツシくんの苦労が身に染みて分かるっ…(笑)」

『うるっさいなぁっ!!
お腹が大きくなってしゃがみずらいんだよォ!!
バカエリっ!!(笑)』


ザクッ、ザクッ…

あこは文句をこぼしながらも、必死に移植べラを動かす。

「だぁぁっ!!もう!
違うってば!!
せっかく、株分けしてもらったのに、一つダメになっちゃったじゃん!」

『ごめぇん…

ハァッ…あこって、本当にダメダメだぁー(泣)!!』

ポスッ…

移植べラをすぐ横に置いて、地面にゆっくりと腰をおろす。


「たくぅー!(笑)
そんなとこ座んじゃないのっ!

ほら!あっちのベンチに座ってな?」


『ふぁい…』


エリが指差す、真っ白なベンチへ向かってゆっくりと歩き出した。

ジャリッ…ジャリッ…

『フゥ…フゥ…』

2月にこの公園に来た時よりも、また少し、お腹が大きくなっていた。