Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

「教えねぇよっ!
てか………入れたいのが有りすぎて選べなかっただけ…(笑)」


ねぇ、あっちゃん?
あなたは“z…ずっと”の後にどんな言葉を入れたかったの?

永遠にずっと…一緒?
永遠にずっと…好き?
永遠にずっと…愛してる?
永遠にずっと…離れない?

…その答えは、今でも分からないままです。

ねぇ、教えて?



大学に着くと、エリが大学の正門で待っていた。

朝からずーっと待っていたんだって。

「あこ、おかえりなさい。

…図書館行こうか?」
エリの意見に頷いた。
『うん!』

大学の敷地内に有るものの、図書館は、あまり利用者がいない。

騒がしい大学の中でもひときわ寂しさを放っている。

ほとんど誰も来ないから、話をするには最適の場所だ。

エリがここを選んだ理由が分かる。

キィ……

ドアを引くと、年期の入った音が館内に鳴り響いた。

やっぱり、誰もいない。

「さ…話、聞こうか。」

ただっぴろい館内の椅子に小さな二人が座った。

『エリ…あのね…』

全部話した。

おばちゃんが抱き締めてくれた事。

あっちゃんが痩せて別人になっていた事。

もう一度、あっちゃんの彼女になれた事。

あっちゃんのアドレスがあの頃のままだった事。

そして…
あっちゃんがガンを克服した事。

あこは今、やっと、スタートラインに立てたんだという事。

「よっ…よかっ……
良かったねぇぇッッ…あこぉぉ…」

エリは自分の事みたいに泣いていた。

カタン…

『えっ…』
あことエリが座っている後ろの本棚から、物音がした。