Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

『あーッッ!幸せっ!』
誰も乗っていないエレベーターの中で小声で叫んだ。

鏡に映る自分は世界一…ううん、宇宙一幸せな笑顔をしている。

病院に向かっていた時は、あんなに足が重かったのに、今は宙に浮いているみたいに体まで軽い。

心の中の水溜まりは、あっちゃんという太陽の光に照らされて、すっかり乾いている。


ウィーン…
病院の正面玄関を出た。

『スゥー…ハァァ…』

真っ青な空を見上げながら両手を広げて深呼吸した。

生きてる。
あこは、今、生きている。

空ってこんなに綺麗だった?

♪ピリリリリ…。

メールが届いた。

受信メール 1件

あっちゃんからだった。

【走って転ぶなよ!

あこはすぐ転ぶから心配だ。】

…トクン。

またあっちゃんからメールが届く日が来るなんて…

あっちゃんのアドレスは変わる事なく、あの頃と同じ英数字が並べてあった。

atsuはアツシ。
akoはあこ。
e-niは永遠-に。

z...@はずっと。
でも、ずっとの後は何もつけられず、点が三つ並べられている。

『ねぇ!あっちゃん?
zの後の意味は?何かつけないの?』

前にあっちゃんに聞いた事がある。

あっちゃんが真っ赤になって答えたのを思い出した。