Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

「ハァッ(笑)
やっぱりあこの馬鹿は変わんねぇなぁ!」

あっ…
八重歯が見えた。

やっぱり、この笑顔には弱いんだぁ…

『…でも、今日はここに居たい。ダメ?』

あっちゃんの顔をおそるおそる覗き込んだ。

「あこ、約束!忘れたのか?」

あこの頭手を乗っけてあっちゃんがあこをじっと優しい目で見つめている。

約束。

大学をちゃんと卒業すること。

それから…結婚。

『じゃあっ!!大学終わったら、また、来てもいいっ!?』

ダメって言われても来るけどね!!!

「当たり前だろっ!!
つーか、来なかったら、もう抱き締めてやんねぇ~(笑)」

いたずらっぽく笑うあっちゃんだ。

あっちゃんだ。

あぁ…昔に戻ったみたい……

戻ったんだ。

そうだよ!
今、確かに隣には笑っているあっちゃんいる。

嬉しい。

『じゃあっ!来るから待っててねっ?
絶対に待っててね!!』

「はぁ?待ってるし!てか何処にも行けねぇし!

な?先生、コイツ馬鹿だろ?(笑)」

あっちゃんはあこを指さして、先生にわらいかけた。

そして、笑っているあっちゃんとおばちゃんと先生と看護婦さんに軽く会釈をして、本当は出たくない病室を後にした。

まさか、あこが後にした病室で、あっちゃんが絶望感に襲われていたなんて…

あこはただ嬉しくて…
そればっかりで…

何も気付かなかったんだ。