Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

「アツシくーん?」

ドアから入って来たのは、白衣に身をまとった、白髪まじりの髪の毛のおじさんだった。

目が優しさを物語っていた。

「ん?おや?
…初めて見掛ける子だねぇ?」
ニコニコ微笑むそのおじさんの左胸のネームプレートには、“藤木”と書かれている。

あっちゃんの主治医だった。
藤木先生。

この人があっちゃんを診てくれてる先生か。

『あっ…!!』
ハッっとしてしまった。

あっちゃんとあこは泣き顔できつく抱き締めあったままだ。

「あっ!先生…どもっ!」

焦ったように二人は離れた。

恥ずかしい…
あこはちょっとうつ向いてしまった。

「ハハハ!アツシくん?
もしかして、この子かな??(笑)
んー…確かに、アツシくんが言った通りの子だねぇ!」

先生はあこを見ながらニコニコしていた。

『……?』
あっちゃん?

あっちゃんを見ると、耳まで真っ赤にして、うつ向いていた。

先生の後ろからは、看護婦さんとおばちゃんが入ってきた。

「あらっ!本当!

アツシくんたら、ほーんと凄いのよー?

毎日、毎日、あなたの事ばっかり言うのよ?

こっちが恥ずかしくなっちゃうの(笑)」

可愛い看護婦さん。
きっと26歳くらいかな?

「あーっ!マジやめてよ!鈴木さん!」
あっちゃんが真っ赤になりながら、看護婦さんに言った。

看護婦さんの後ろでは、おばちゃんが泣いてる。
おばちゃん?
…なんで泣いてるの?
あっちゃんに何かあったのだろうか?

不安であこの顔が曇る。