Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

『あっちゃん…?』

あっちゃんのうすっぺらくなってしまった手は、いつもと変わらずに温かい。

この手が、いつもあこのほっぺを包みこむんだ。

この手でいつもあこを抱きかかえたんだ。

温かいね、あっちゃんの手。

「ックハァッ…ハッ、ハッ、ハアッハアッ…」

先生が言った通り、あっちゃんの呼吸は激しさを増していく。

『あっちゃんっ!?
しっかりっ!!

あこがついてるよっ!』

どんなに力強くあっちゃんの手を握ってもあっちゃんは握り返してはくれない。

「そーだよ!兄キっ!

あこ姉が来てくれたんだぞ!分かるだろっ?」

卓ちゃんはあこと反対のベッドの横でひたすらあっちゃんの手を握って、ずっと返って来ない返事を待ち続けている。

あっちゃんが呼吸の激しさを増して行く姿をみていられない。

『あっちゃぁん…っ…』

もう一度呼んでみる。

ピクッ…
あっちゃんの細い指が微かに動いた。

―――!!

聞こえてるんだね?
あっちゃんっ!!

あこの声が聞こえてるんだね!

あっちゃんの手を右手で握りしめながら、左手で頬を撫でながら、あこはあっちゃんの耳元で話だした。