Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

あっちゃんの病室に近付いた時だった。

「兄キィィィ――!

ふざけんなよ!しっかりしろってぇぇー!!」

病室のドアが開きっぱなしで、卓ちゃんのなき叫ぶ声が廊下にまで響きわたっている。

病室のまわりには数人の人達の塊が出来ている。

「可哀想ねぇっ…」

「まだ若いのにねぇっ…」

入院患者の人、お見舞いに来ている人達が病室を覗き込む様に、入り口を固めていた。

何言ってるの?
あの人達、何言ってるの!?

あっちゃんは死んでないよ!

生きてるんだよ!

今、生きようとして必死に闘ってるのに…

可哀想なんて言わないでよ!!

病室の入り口を固めている人達に怒りに近い感情が込みあげてくる。

おばちゃんとエリに繋がれている手にその感情をぶつけるかの様におもいっきり振り払った。

『あっちゃんは可哀想じゃないし!!

どいてよ!邪魔なんだよっ!!』

そのひとだかりを払い退けて病室に飛込んだ。

『あっちゃぁぁぁんっ!!!』

もうあこには余裕なんてなかったんだ。

あっちゃんの横たわるベッドの枕元には白衣を着た先生が眉間にしわを寄せて立っていた。

「ハァーッ…ハァーッ…ハァーッ…」

あっちゃんは苦しそうに呼吸をしているのに、先生は何もしてくれない。

『先生ぇぇっ!!

何とかしてぇぇ―――ッ!!!』

思わず先生の白衣にしがみついてしまった。

あっちゃんは目を薄く開いたり、閉じたり、ますます呼吸が激しくなっている。

真っ白な顔…
綺麗なほどに真っ青な唇…

パタン…
おばちゃんは病室に入ってきて、泣きながら静かにドアをしめた。

ピッピッピッ…
モニターの音が病室に響きわたる。