Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

分からない?
あこの気持ち、分からない??

『あこはね…他の人じゃダメなの…
幸せになれない。

だから…』

返事が怖くて、あっちゃんの顔が見れないよ。

「…はぁぁっ!?」

もうっ!!
信じられない!!
あっちゃんがここまで鈍感だったなんて!

『もぉっ!!だから、あこはあっちゃん以外無理なのッッ!

だから来たんだよ!!』

ギュッ…

久しぶりに飛込んだ大好きな人の胸の中は、あの頃と変わらずに温かい。

…トクン…トクン…

あっちゃんの心臓の音があこの体にも響いてる。

“俺はちゃんと生きてるよ”って言ってる。

ただ…あの頃よりも細い、うすい胸だった。

「…な…に…言ってんだよっ!!
俺んとこ来たって…何もしてやれねぇんだよ……」

『いいっ!!それでもいいッッ…何も要らない!!
あこだって何もないよ?今日…全部捨てて、ここに来たんだもん………

…これからは…一人で苦しまないでよ!
あこも一緒に頑張るから!!

…あこがあっちゃんの苦しみを全部背負うよ!!』

あっちゃんの体がピクンと反応した。

あっちゃんが軽く吹き出して小さく笑った。
「あこにそのセリフ言われる日が来るなんてな……(笑)」

……あ。
そう言えば…あこがレイプされた日。

海で自殺しようとしたあこにあっちゃん、言ってくれたよね。

“俺が全部背負うから!”

ぎゅぅぅっ……

あっちゃんが少し細くなった腕で力一杯あこを抱き締めた。