Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

「あこ!大丈夫?

しっかりするのよ?」

心配そうなお母さんの顔を見ながらタクシーに乗り込んだ。

『大丈夫!
お母さんごめんね…朝からバタバタさせちゃって…

あっ!
すみません、西中央総合病院までお願いします!!

…急いで下さい!』

バタン…
タクシーはドアを閉めると同時に走り出した。

車内から見るいつもの景色はスローモーションになってあこの横を通り過ぎていく。

早く…
早く…

気持ちばかりが焦る。

病院の近くの信号にひっかかって車が止まった時だった。

運転手のおじさんがあこに心配そうに声をかけてきた。

「お姉さん、大丈夫?
どっか具合悪いのかい?…顔色悪いよ?」

『へっ?…』

バックミラーを覗くと運転手のおじさんと目があってしまった。

あこは額に汗をかいていた。

『…あっ…うん、ちょっと胃がムカムカしてきちゃって…

でも大丈夫ですっ!』

確かに…タクシーに乗り込んだ後から、具合が悪い。

胃がムカムカして、頭痛がする。

体も熱っぽい。

でも、今は自分の体なんてどうでもいい。
あっちゃんに会いたい。


「着いたよ、850円になります。

本当に顔色が悪いよ、早く医者に見てもらった方がいいぞ?」

『うん!

ありがとう!』

チャリッ…

運転手のおじさんにバッチリ850円を渡して、あこはあっちゃんの病室へ走った。