Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

ここ一週間のあっちゃんは少しだけおかしい。

あこが帰ろうとすると、この世の全てを失った様な、泣きそうな顔をしてあこの腕を掴む。

『…うん…ごめんね?
面会時間過ぎると看護婦さんにまた怒られちゃうから…』

本当は24時間ずっと、あっちゃんの側にいたい気持を堪える。

あっちゃんだって、休まなければいけない。

先生にキツく言われている。

「そ…か…。(笑)

気をつけて…ハァッ、帰んだぞ?

あこはっ…ハッ…ハァッ…すぐ転ぶからなっ…」

あっちゃん…
体がしんどいって叫んでる。

それでも、あこの心配ばっかり…

痛み止めが切れてくると、あっちゃんは少し錯乱状態になることもあった。

何とかしてあげたいのに…

何も出来ない自分に腹がたって、憎たらしくて仕方なかった。

『転ばないよっ!!(笑)

明日は日曜だし、大学も休みだから朝早く来るからねっ?』

あっちゃんの表情が明るくなった。

「…ハァッ、ハァッ…お…おぉ。

朝一番で来いよ?」

やっぱり…
最近のあっちゃんは、
“もう帰るのか?”

“明日は今日より早く来い!”

を必ず口癖の様に5回は言う。

『分かったっ(笑)

超特急で来るね☆
…じゃあ、帰るね?』

病室を出ようとしてドアノブに手をかけようとした時だった。

「あこっ…」

あっちゃんの大きな声によびとめられた。

振り返ってみると、あっちゃんは窓の外を指さして、あこを見ながら笑っていた。