Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

辛い事なんて…全部忘れちゃったよっ!

だってね、辛い事があったその倍以上の幸せがあったから…

あっちゃんは幸せを沢山、沢山、くれたじゃない!!

もう忘れちゃったよ?
…辛い事なんか。

あっちゃんが隣にいてくれるから。


「泣いてんじゃねぇーよ!(笑)

あこ…お前の体、全部水分なんじゃねぇのっ?」

しんみりとした空気を変えるように、あっちゃんが笑い飛ばした。

あっちゃんの笑顔と八重歯を見て少しホッとしてしまう。

それからは、笑顔が絶えない、いつもの二人に戻ってじゃれあった。

『…びぇっ…っくしっ!!』

すなぼこりで鼻が擽られて大きなクシャミをしてしまった。

あっちゃんとじゃれあう幸せな時間に夢中できづかなかった。

いつの間にか夕日が落ちて、辺りは薄暗い。

海が朱色から段々と黒い夜の海へと変身をしている。

「うぁーっ…もう七時だしなっ!

車もどっかぁ!(笑)」

ポンポン……!

立ち上がったあこのスカートについた砂をあっちゃんが払ってくれた。

『ありがとっ!!』

「おぅ!」

普通の幸せ。
ありきたりな幸せ。