Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】

あの時…
あこのとった行動が、どんなにあっちゃんを不安にさせてしまったんだろう。

その痩せほそった体で大きな大きな不安と闘っていたんだよね?

…分かっていたはずなのに…

ただ、あっちゃんと一緒に居たくて…

永遠にあっちゃんの隣に居たくて…

あこはただの子供でした。
だだをこねる子供だったね……

あっちゃん…
いつか、あことあっちゃんに永遠が訪れる日は来るのでしょうか…??

もしも永遠が訪れるのならば、お互い、傷つけ合う事もないし…

お互い、気持ちを押し付け合う事もしなくてもいいのにね…。

あの日、泣きそうな顔をしたあっちゃんを思い出すだけで、涙が止まらなくなっちゃうんだ。


ザザーッ…ザーッ…

誰も居ない、静かな夕方の海。

真っ赤な夕日が半分顔を隠し始めた。

波はゆっくりとゆっくりと静かに、穏やかに揺らめいている。

夕日が海を朱色に染めていて、どことなく、寂しさを際立たせる。

あっちゃん…
あこは、この日の出来事がなかったら…

今のあこはいないと思うんだ。

そのくらい…

運命を大きく左右する大切な日だったんだよ。

「誰も居ねぇな!」

あっちゃんの小さな呟きは、波に溶け込む様に、かきけされてしまった。