陽が落ちきる前に二つの炉は完成し、
火が入れられ、
陽が落ちて、
星が輝き出す前に、
倉庫から運び出された色とりどりの食材が、鉄板にばら撒かれた。
敷かれた油が鉄板の全面で跳ねる。
「よしよしよしっ」
「こういうの初めてだけど、すごいね」
「魔王さま、危ないですから油が落ち着くまで下がっていてください」
「こちらもです。薪の追加はまだまだいりませんから、下におろしてください」
宴の始まりに身を乗り出す魔王さま達を、シルキスとアイオネは自分の後ろに隠して火と油から守る。
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