「降りて早々、すごいのを手懐けましたね」 シルキスは、魔王さまがより撫でやすいように抱く高さを調節してやる。 「すごいだろー」 魔王さまは、自慢たっぷり。 「船のまわりをぐるぐるしていたのでな、こいつも私に挨拶がしたがっていると思って呼んでみた」 理屈も何もないが、実際、その通りなのだろう。 この場合、理屈がないのがすごい。 愛される力。 取引も前準備もまったく必要のない、純粋な力。