どこか憂いを含んだ瞳とあいまって、浮世ばなれした印象を受ける。
会議中の生真面目な表情から一転、岸警部は親しみをこめた笑みを浮かべた。
「なんだ、達郎くんじゃないか」
「すみません、会議中にお邪魔しまして」
あたし日野麗実のイトコ月見達郎は、申し訳なさそうに頭を下げた。
「いや、構わんよ」
警部は右手を振った。
達郎は民間協力員として多くの事件を解決している。
警部にしてみれば身内も同然。
それに警視総監の息子を邪険にはできない。
「どうしたんだい、今日は?」
「警部に頼まれてた本を持ってきました」
達郎は手にしていた本を差し出した。
本の表紙には「都内スイーツマップ2009」とあった。
「警部、いつから甘党になったんですか」
隣席の星野警部補の言葉に、捜査員の間からドッと笑い声があがる。
「俺じゃない!」
警部は顔を真っ赤にして否定した。
「女房と娘に頼まれてたんだ!」
会議中の生真面目な表情から一転、岸警部は親しみをこめた笑みを浮かべた。
「なんだ、達郎くんじゃないか」
「すみません、会議中にお邪魔しまして」
あたし日野麗実のイトコ月見達郎は、申し訳なさそうに頭を下げた。
「いや、構わんよ」
警部は右手を振った。
達郎は民間協力員として多くの事件を解決している。
警部にしてみれば身内も同然。
それに警視総監の息子を邪険にはできない。
「どうしたんだい、今日は?」
「警部に頼まれてた本を持ってきました」
達郎は手にしていた本を差し出した。
本の表紙には「都内スイーツマップ2009」とあった。
「警部、いつから甘党になったんですか」
隣席の星野警部補の言葉に、捜査員の間からドッと笑い声があがる。
「俺じゃない!」
警部は顔を真っ赤にして否定した。
「女房と娘に頼まれてたんだ!」