あたしは久保美和の調書を見た。
「何よりも『か』と口にしたことがその証拠だよ。メッセージを残す途中で被害者は事切れたんだ」
「途中、ですか…」
達郎は3人の容疑者の写真を順番に眺めてゆく。
「第1発見者の隣人は、容疑者たちとは面識があったんですか」
「いいや。写真を見せたところ、見覚えは全くないそうだ。それがどうかしたかい?」
達郎は無言を返した。
「達郎くん?」
岸警部は達郎の顔をのぞき込んで、その表情からある事を察した。
「日野」
警部の声と視線があたしに飛ぶ。
あたしは目を丸くした。
確認の意味をこめて自分を指さしてみる。
それに対し警部は大きくうなずいた。
周りを見回すと、捜査員たちは全員、あたしを見ていた。
あたしはもう一度、自分を指さした。
捜査員たちは全員、大きくうなずいた。
『なんであたしが…』
心の中でつぶやきつつ、あたしは立ち上がって会議室を飛び出した。
「何よりも『か』と口にしたことがその証拠だよ。メッセージを残す途中で被害者は事切れたんだ」
「途中、ですか…」
達郎は3人の容疑者の写真を順番に眺めてゆく。
「第1発見者の隣人は、容疑者たちとは面識があったんですか」
「いいや。写真を見せたところ、見覚えは全くないそうだ。それがどうかしたかい?」
達郎は無言を返した。
「達郎くん?」
岸警部は達郎の顔をのぞき込んで、その表情からある事を察した。
「日野」
警部の声と視線があたしに飛ぶ。
あたしは目を丸くした。
確認の意味をこめて自分を指さしてみる。
それに対し警部は大きくうなずいた。
周りを見回すと、捜査員たちは全員、あたしを見ていた。
あたしはもう一度、自分を指さした。
捜査員たちは全員、大きくうなずいた。
『なんであたしが…』
心の中でつぶやきつつ、あたしは立ち上がって会議室を飛び出した。


