私たちは旅に出た。



5つある、秘宝を集める旅へ。




秘宝のある場所は特定していない。


門を出ると、国は門の中よりもひどかった。

アルドリアンでの悲劇は国まで広がっているみたいだ。


さっき、アレンが何があったのかを全て話してくれた。


時は早朝。

朝日が昇る前だ。


「アレン、どこに行くの?」

「秘宝のある場所へ。
秘宝があるとされる場所は
森、海、山、川…
そして、隣国です」

「あ~…普通に喋ってね♪
まずはどこ?」

「一番近いのは森です」

「じゃあ、森にしよう」

私は気軽に言った。


その時、私は何かを感じた。

誰かに…見られてる?


私は反射的に短剣に手をかけた。

「ユカ…?どうした?」

「誰かに見られてる気がする」


アレンは首をかしげた。

彼は何も感じないのだ。


でも、ユカはシャリアンの血を受け継ぐもの。

疑うことはしなかった。


ユカはハッとして上を見上げた。

「上!アレン!!上よ!」

ユカは叫んだ。